vol.2 「ガン検診」
2012月06年09日
~がん検診の対象は健康な人~
胃がん検診
【胃X線検査】
バリウム(造影剤)と発泡剤(胃を膨らませる薬)を飲み、胃の中の粘膜を観察する。
検査当日は朝食が食べられない等注意事項がある。検査後の便秘やバリウムの誤飲等の副作用がある。
検査感度は70%~80%
【胃内視鏡検査】
胃の中を内視鏡で直接観察する。内視鏡を口から挿入するため、鎮痙剤(胃の動きを抑える
注射)やのどの麻酔が必要。一般に精密検査として用いられる。食道や胃などの経路が傷
つき出血や胃の粘膜に穴を開けてしまうといった医療事故の危険がまれにある。
口から挿入するものより咽頭部の不快感が少ない経鼻内視鏡(鼻から挿入)もあるが、
視野がやや暗く、患部が見えにくい。
【ペプシノゲン検査】
血液検査により、胃粘膜の老化度(萎縮度)を調べる。胃がんを直接見つけるためではなく
陽性と判定された場合は胃がんになる可能性があるので定期的な検診を。
【ヘリコバクター】
血液検査により、胃がんの原因となりうるヘリコバクターピロリ菌に感染しているか調べる。
【ピロリ抗体検査】
感染した人がすべて胃がんになるわけではなく、小児期に感染し、高齢化してごく少数が発症する。
40歳以上の70%が感染している。
大腸がん検診
【便潜血検査】
がんやポリープなどの疾患があると大腸内に出血をすることがあり、その血液を検査する
陽性になった場合精密検査を受けることが必要。安全、簡単、安価ですぐれた検診方法。
【全大腸内視鏡検査】
大腸すべてを内視鏡で観察する方法。がんやポリープに対する診断精度が非常に高い。
まれに出血や腸に穴が開くなどの事故が起きる可能性がある。
肺がん検診
【胸部X線検査】
肺全体のX線撮影。喀痰細胞診は主に喫煙者を対象としてX線検査に併用して行い、
喀痰細胞診 併用 を採取し気管支等のがんから痰に混じって出てくるがん細胞の有無を
顕微鏡で観察。この組み合わせによる検査の感度は70%前後
【胸部CT検査】
CTスキャナー検査装置の寝台に横になり、X線を用いて検査する。1回息を止めている間に
肺全体を連続的に撮影することが可能で、ミリ単位で画像作成される。
子宮頸がん検診
【細胞診】
子宮頸部の粘膜を採取し、がん細胞の有無や種類を調べる。検査の感度は50%~80%
乳がん検診
【マンモグラフィ】
乳房X線撮影。触診だけでは発見できないしこりを診断できる。とくに石灰化のある小さな
がんの発見に適している。検査時に乳房をできるだけ平らにして撮影するため多少の痛みがある。
検査の感度は80%~90%
【視触診】
医師が乳房を触診し、しこりの有無を判断するため発見できるものはある程度の大きさの
しこりに限られる。視触診単独では検診としての効果はない。
【乳房超音波検査】
超音波により乳房の病変を検査する。触診だけでは発見できない小さなしこりや、しこりの
良性・悪性の診断に用いられる。乳腺の発達した人や若年者の検査に適している。
PET(ペット)検査って?
がん細胞は正常細胞に比べて3~8倍のブドウ糖を取り込むという性質を利用しがん細胞を見つけ出す。
検査方法
(1)ブドウ糖に近い成分の検査薬(FDG)を体内に注射する
(2)しばらく安静にし、全身にFDGを行き渡らせる
(3)がん細胞にFDGが集中する
(4)PETカメラで全身のFDGの分布を撮影する
一度に全身を調べられ痛みや苦痛もほとんど無く、精神的ストレスや身体的負担も少ない
準備から最後まで2時間程度、実際の検査は30分程度で終わる
検査費用は、病院や地域などにより異なるが10万円前後
腫瘍マーカーって?
体内に腫瘍ができると健康な時にはほとんど見られない特殊な物質(腫瘍マーカー)が血液中に出現する。この数値が基準以上に出た場合、がんが存在することが推測される。
検査方法
血液を採取し、血清にモノクロール抗体という試薬を加えると、腫瘍マーカーと結びつくので、
その量を測定する。尿や膣分泌液などを採取することもある。
自分で簡単にできる血液検査キット (厚生労働省認可取得済)
詳しくは下記ホームページを
http://www.kenkojin.net/demecal/